SYMPTOMS/CASES

【症例14】
レッグ・カルベ・ペルテス病
(犬・トイプードル)

<症例>
レッグペルテス
<症状>
脚を上げたまま歩く
<種類>
犬・トイプードル/オス/10か月
<検査内容>
レントゲン検査
<手術名>
大腿骨頭骨頸部切除術

<症状の詳細>

脚を上げるということで来院されました。レントゲン検査からレッグ・カルベ・ペルテス病が疑われ、大腿骨頭骨頸部切除の手術を行いました。手術後は快適に歩行できています。

 

<レッグ・カルベ・ペルテス病>

大腿骨頭壊死症とも呼ばれ、小型犬における大腿骨頭や骨頸部の非炎症性無菌性壊死とされています。骨頭壊死の原因はいまだに解明されていなく、何らかの理由で血液が十分に供給されず生じると考えられています。 初期には違和感や軽度の負重性跛行(足は地面につくが体重はあまりかけない)が見られます。大腿骨頭と骨頸部の変形が生じると急性の激しい痛みを引き起こし、足を完全に挙上することが多いです。 トイ犬種やテリアなどの小型犬に好発し、発症時期は5~8ケ月齢に多いとされています。多くは片側性でありますが、両側に発症することもあります。

 

<手術前レントゲン>

左大腿骨頭が変形しており、不透過性が亢進しています。レッグ・カルベ・ペルテス病が疑われます。
また、左右の筋肉量を比べると、左のほうが少ないことがわかります。
 

<手術後のレントゲン>

左大腿骨頭骨頸部を切除しました。痛みの原因となっている大腿骨頭骨頸部を除去することにより、快適に歩けるようにします。骨を除去した部分(股関節)は筋肉と軟部組織が発達して、偽関節という関節と似たような構造になっていきます。

 

▼術前術後の歩行の様子