SYMPTOMS/CASES

【症例35】
免疫介在性関節炎
(犬・トイプードル)

<症例>
免疫介在性関節炎
<症状>
脚を上げたまま歩く
<種類>
トイプードル/メス/3歳
<検査内容>
レントゲン検査、血液検査(炎症マーカー)、関節液検査
<治療方法>
内科療法(ステロイド投与)

<症状の詳細>

はじめに元気・食欲低下の症状が見られ、その後、日によって左後ろ足をあげたり、左前足をあげたりするようになりました。関節液検査を実施し、確定診断後、治療(ステロイド投与)を開始しました。治療後は食欲・元気も改善し、足をあげることもなくなりました。

<免疫介在性関節炎とは?>

自己免疫の異常によって自分で自分の関節を攻撃してしまう病気です。そのせいで関節が炎症を起こし、「痛み」「腫れ」が出てしまいます。前足・後ろ足の複数の関節が腫れて痛がるのが特徴です。日によって、または時間によって痛がる足が変わることがあります。その他にも発熱・食欲不振・元気消失などの全身症状も見られることがあります。(免疫介在性関節炎の一種で骨破壊が見られる場合もあります。)

下記の2つの動画のワンちゃんは同じ子ですが、日によって痛がる足が変わりました。

<関節液検査とは?>

関節に針を刺して関節液を採取し、性状や成分を検査します。正常な関節液は少量、無色透明で粘り気があります。一方で、免疫介在性関節炎など病変がある場合には、関節液の量の増加・色調の変化・粘り気の低下が起こります。

今回採取した関節液は白く濁っていました。

免疫介在性関節炎の関節液検査の様子

正常な関節液の場合

また、顕微鏡で観察すると、正常な関節液では細胞成分はほとんど見られませんが、病変がある場合には下記の写真のように好中球という細胞が増殖し、免疫介在性関節炎であることを診断できます。

免疫介在性関節炎の顕微鏡写真(好中球の増殖)

▼治療開始後の歩行の様子