SYMPTOMS/CASES

【症例36】
前十字靭帯断裂
(犬・ヨークシャテリア)

<症例>
前十字靭帯断裂
<症状>
痛がって歩きにくい
<種類>
ヨークシャテリア/メス/10歳10か月
<検査内容>
脛骨前方引き出し試験、脛骨圧迫試験、レントゲン検査、血液検査
<治療方法>
TPLO(脛骨高平部水平化骨切り術)

<症状の詳細>

右後肢をかばって歩くとのことで来院されました。検査の結果、右前十字靭帯の完全断裂が確認されました。術前は痛みのある右後肢をかばい、左後肢へ重心をかけて歩いていましたが、TPLO(脛骨高平部水平化骨切り術)を実施したことで膝関節が安定し、術後はスムーズな歩行ができるようになりました。

<前十字靭帯断裂とは?>

前十字靭帯断裂は、犬に多くみられる膝関節の病気の一つです。前十字靭帯は膝関節を安定させる重要な靭帯ですが、加齢や体質、運動などがきっかけとなって断裂することがあります。

主な症状として、急に後ろ足を上げる、歩き方がおかしい、足をかばう、運動を嫌がるなどが見られます。断裂したまま放置すると膝関節の不安定な状態が続き、半月板損傷や変形性関節症が進行する可能性があります。

<TPLO(脛骨高平部水平化骨切り術)とは?>

TPLOは、前十字靭帯断裂に対して世界的にも広く行われている手術方法です。脛骨を骨切りし、骨の角度を調整したうえで専用プレートにより固定することで、前十字靭帯がなくても膝関節が安定して歩ける状態を作ります。

大型犬だけでなく、小型犬でも高い治療効果が期待できる術式です。

<術前のレントゲン>

前十字靭帯断裂により、脛骨が前方へ変位している様子が確認できます。

前十字靭帯断裂 術前レントゲン

<術後のレントゲン>

TPLOを実施し、脛骨の角度を矯正した後、プレートで固定しています。これにより膝関節が安定し、正常な歩行が可能となりました。

前十字靭帯断裂 術後レントゲン

▼術前の歩行の様子

▼術後の歩行の様子