
- <症例>
- 膝蓋骨内方脱臼(グレード4)
- <症状>
- 痛がって歩きにくい
- <種類>
- トイプードル/メス/8歳5か月
- <検査内容>
- レントゲン検査、血液検査、CT検査
- <治療方法>
- 内側広筋リリース・関節包縫縮術・ブロックリセッション・ラテラルスーチャー法
<症状の詳細>
約1年前に他院で左膝蓋骨内方脱臼グレード3と診断され、その後左後肢を上げるようになったため来院されました。検査の結果、左膝蓋骨内方脱臼グレード4と診断し、手術を実施しました。術前は左後肢をかばって歩いていましたが、術後は左後肢にも重心をのせられるようになり、快適に歩行できています。
<膝蓋骨内方脱臼(パテラ)とは?>
膝蓋骨内方脱臼(パテラ)は、小型犬に多く見られる整形外科疾患です。膝のお皿(膝蓋骨)が正常な位置から内側へ外れてしまうことで、歩き方の異常や痛みを引き起こします。
グレード4は最も重度の状態で、常に膝蓋骨が脱臼しており、手で元の位置へ戻すこともできません。そのままにすると歩行障害や変形性関節症が進行するため、外科手術が必要になることが多い病気です。
<術前のレントゲン>
膝蓋骨内方脱臼グレードⅣ(常に膝蓋骨が脱臼していて、手による整復ができない状態)が確認されました。
<手術について>
今回は以下の4つの術式を組み合わせて、膝蓋骨を正常な位置へ整復しました。
- 内側広筋リリース:膝蓋骨を内側へ引っ張る筋肉の力を弱めます。
- 関節包縫縮術:ゆるんだ関節包を縫い縮め、膝関節を安定させます。
- ブロックリセッション:膝蓋骨が収まる溝(滑車溝)を深くします。
- ラテラルスーチャー法:大腿骨と脛骨に糸を通し、脛骨の内旋を制御します。
<術後のレントゲン>
4つの術式を組み合わせることで膝蓋骨を正常な位置へ整復しました。術後は再脱臼することなく、安定した歩行が可能となりました。
▼術前の歩行の様子
▼術中の膝の様子
▼術後の膝の様子
▼術後の歩行の様子